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蜜の木のメモ 2013年11月

冬枯れが日に日に強くなっていた。
シャッターの閉まった駅舎から汽車に乗る。
汽車は進みはじめて少ししてから大きな汽笛を鳴らして止まった。
人をひきかけたのだ。
旧道から山に向かう野道が踏切もなく交差している。
車内では「妨害だ。謝れ。」と街の方からやって来た観光客たちが怒鳴っている。
小さな人影は背中を丸めて紅い森の方に消えるのだった。


「若者たちが村に活気を取り戻して幸せ」とはならない。
衰退していくか世俗化していくだけの地方に残された若者たちの青白い瞳。
「彼らが村を変えてくれるかも」という集落の小さな希望になりかけていた若者たちの心が折れて消えていくことが、逆に最も深い村の絶望になってゆく。
すべての者が管理されていて、本当に大切なものすら与えられている。


それでも私たちは正義を貫くことができるか。





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by yasutakeiwana | 2013-11-28 18:41 | 絵画・詩

展示のお知らせ

アートアドバイザー奥村くみさんと積水ハウスのコラボレーション企画にて新作の油彩作品を展示していただきます。

会期中には奥村さんによるトークイベントも開催されます。
会場 積水ハウスモデルハウス「ビーサイエ」(ABCハウジング千里住宅公園内)
展示期間/11月28日(木)~12月26日(木)営業時間/10:00~18:00 定休日/火・水曜



http://allierstyle.blog.fc2.com/blog-entry-152.html

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by yasutakeiwana | 2013-11-26 13:54 | 展覧会・イベント

鹿と野ばら

山鳥は木の枝を渡る
重力を失った枝が跳ねて
乾いた葉がカラカラと音を立てた

猟師に追われた鹿の血が
峠の大池の深い緑を紅く染めた

(農夫たちは、その水際が夕日に染まっているのだと思った)

月日は荒れた草地に彼(鹿)の
白い骨だけを点々と残していた
夏には赤い野ばらの花が咲いて
もう村人が通ることのない山道を覆った




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by yasutakeiwana | 2013-11-20 11:36 | 絵画・詩

春には会うことができない人たち

木の実は空へ落ちてゆく
谷の方から死にも似た臭いが流れ込んで
観音山には田の火が共鳴する

子鹿の血が木葉の鏡になって
地蔵の後ろの白い花びらが星夜に反射した
祖先たちの顔が森の水辺にゆれている

多くの虫たちは春を迎えることができない
アトリエは森に通じていて温かい
出会うことのない春を待つ虫たちが眠っている




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「田ノ花」
2013 Oil on canvas
41×31cm
個人蔵
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by yasutakeiwana | 2013-11-09 18:52 | 絵画・詩

個展「田ノ獣/森ノ花」終了いたしました。

ギャラリーあしやシューレにて開催された個展「田ノ獣/森ノ花」を盛況のうちに終えることができました。

お越しいただいた皆様、応援いただいた皆様、本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


2013年11月

岩名泰岳


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by yasutakeiwana | 2013-11-07 15:27 | 展覧会・イベント