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川辺の道

2011.04.29

晴れ。あたたかい。
昼前に川辺の小さな街に出掛ける。
丘を少し登ったところにある教会。太った爺さんがパイプオルガンを弾いている。2階は誰もいない薄暗い部屋で色褪せたステンドグラスの窓から外のヒカリが漏れていた。
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街や森を少しブラブラしてから、川に沿って小さな道を歩き始めた。3時間くらい歩いた。生温い水や緑の匂いを浴びながらいろんなことをぼんやり考える。
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途中、川辺の森の中に小さなカフェを見つけたので冷たいビールを飲みながらドローイングと日記を少し描く。
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夕方、隣街に着いてそこから電車で家に帰った。
地下鉄を出ると前も見えないくらいの土砂降りに襲われた。
街が冷たく滲んでいた。
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by yasutakeiwana | 2011-04-30 16:58

村の春

京都の南山城村で開催された展覧会で出品アーティスト全員で共同制作した大きな絵を村が買ってくれたというニュースを聞いた。
僕は今回の展覧会に帰国できなかったのでドイツでキャンバスを調達して最初の一筆を描いて日本に送らせていただいた。そのとき絵に添えた言葉。

「春が来る、冷たい冬を越えて村に春が来る」


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by yasutakeiwana | 2011-04-26 21:13

ティラミス

2011年4月19日

風邪気味。昼過ぎケルンに行く。ロンドンでお世話になったアーティストの手塚愛子さんとタイ料理でランチ。コロンバ美術館に案内するが休館日だったので市立博物館に行く。カフェでコーラを飲みながらアートの話をしていたら夕方に、手塚さんと別れて急いでデュッセルに帰る。
夜は近所のピザ屋で友人のお別れ会。友人がピザ屋の親父に日本の飴をプレゼントして親父も上機嫌。


2011年4月20日

朝、友人の見送りに中央駅へ。アトリエに帰宅して作業。ギャラリーDenの手島さんからちょっと嬉しいニュース。


2011年4月21日

風邪。昼間は寝ている。夜、街で手塚さんと画家の村瀬恭子さんとご飯に行く。たわいもない話が盛り上がってスペイン料理屋で朝まで飲んだ。手塚さん泥酔。僕と村瀬さんも少し酔っぱらって帰る。


2011年4月22日

昼過ぎに手塚さんと待ち合わせ。アカデミーを案内しようと思ったら休み。ライン河を散歩してうちに帰る。僕のアトリエとヒロくんの事務所に遊びに行って3人で日向ぼっこしながらピザを食べる。手塚さんを見送って夜アトリエに帰る。
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by yasutakeiwana | 2011-04-23 05:26

使えないパレット

村の幼馴染みの子がドイツに2週間ほど遊びに来た。
15才の頃、僕は毎日教室で絵を描いていて、その子は毎日ギターを弾いて歌を歌っていた。ふたりとも独学で絵と音楽をはじめて、その頃小さな村の中学校は安物の絵具の匂いとギターの緩い音がずっと響いていた。
あれから8年。ふたりとも村を出て街の波に揉まれて弾かれて、それでも村のことは忘れられなかったんだと思う。懐かしい話、将来の話に花が咲いた。

彼女がうちに来た夜。1枚のパレットをもらった。そこには村の同級生たちが僕に寄せ書きを書いてくれていた。こんなパレットは使い物にならないのでアトリエの壁に掛けた。外す予定はずっとない。


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by yasutakeiwana | 2011-04-21 18:38

大きな絵と受験とランチ

2011年4月17日

朝、家の掃除をして駅のカフェへ。
昼過ぎにアトリエに帰宅。大きい絵を描き始める。
膠を塗った手作りのキャンバス地は絵具を吸って描きにくい。描きにくいからドキドキして集中力がゆるまない。3時間くらい絵具を叩き付けて、久しぶりに大きな絵が描けて気持ちいい。
夜、クリスチャンがアトリエに来て少し飲む「そのうちこの絵を買いたい」と言った。それまで待つか。


2011年4月18日

昼からアカデミーに行く。
アンツィンガーはドタキャン。たまたま日本から試験を受けに来た受験生の子に出会った。帰り道にピザを買ってうちのアトリエでお茶。作品を見せてもらった。いつも思うけど僕がこっちに来てから出会う受験生の子はみんなドイツ語もしっかり勉強していて、留学のしくみとかもよく知っていてえらいなぁと思う。泥だけらの絵だけ持ってドイツ語も話せないのにひょっこりやって来た自分がちょっと恥ずかしい。


2011年4月19日

少し風邪気味。
アートフェア「行商」のブログで僕の作品がレポートされていた。
ライターの方が「血のような赤色」と書いてくれているけど、結局絵なんて布や紙の上に色の粉が乗っているにすぎない。なのに絵画がずっと魅力的なのは人が想像力やロマンを持っているからなんだと思う。絵具も紙も誰でも手に入れることができる。だけど小さな紙の上に「小さな自分だけの軌跡」を起こすことができたらどれほど素敵なことだろう。
駅でぼんやりしていると電車が来た。今日はロンドンでお世話になったアーティストのTさんとケルンでランチ。
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by yasutakeiwana | 2011-04-20 17:37

泥の底の白い花

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サヨナラノ冷タイ冬
忘レラレナイ小サナヒカリ
泥ノ底デモ白イ花ハ笑フ
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by yasutakeiwana | 2011-04-18 18:41

春のケルン

いくつかのブログでアートフェア「行商」の作品について書いていただいているのを見つけたので紹介させていただきます。
http://ameblo.jp/eclateclateclat/entry-10856166097.html
http://orinchan55.blog120.fc2.com/blog-entry-727.html



知人の作家さんの紹介でケルンで開催されるアートフェアの展示の手伝いをさせていただいた。作家さんの展示とイタリアの画廊の手伝い。モランディやデ・キリコ、フォンタナなどイタリア美術の巨匠の作品を展示させてもらってすごく感激したな。モランディの版画の何枚かは震災の影響で中止になった豊田市美術館での「モランディ展」に貸し出す予定だったらしい。
思えばアカデミーの制作展は学生たちでやったし、今月の日本での展覧会もすべて展示はギャラリーの方にしていただいたので展示作業は実に半年ぶりくらい。イタリア人のスタッフと片言の英語でやりとりして初めての現場で慣れないこともあったけど、やっぱり現場で動けるのは気持ちいい。

イタリアの画廊のオーナーも僕の作品を見てくれてなかなか好評だった。今日はアンツィンガーも展示に来ていて久々に会った。日本から参加されている画廊の方にも挨拶に行った。これから日本のアート市場は厳しくなりそう。だけど僕は絵描きなので経済がどうだろうと今日よりいいもの作っていくしかない。


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by yasutakeiwana | 2011-04-12 06:05

絵との縁

今日はデュッセルドルフのK20美術館に行って来た。
僕が本気で絵描きになりたいと思ったのは村の中学の図書館にあった古いシャガールの画集がきっかけだったとよく話すんだけど、10代の頃大きな影響を受けた作品が何枚かあった。
不思議なのはその作品のすべてにドイツで出会ったということだ。2009年の冬にアカデミーを受けに初めてドイツに来たとき、面接を翌週に控えた僕は何だかいろいろ不安で小さな肩を丸めながらケルンのルートヴィッヒ美術館に行った。そこで「十戒を破壊するモーセ」の絵に出会った。中学の頃、毎日眺めていた古い画集の絵に突然出会った。あのとき何だかあの絵に強い勇気をもらった気がする。2枚目は「村のヴァイオリン弾き」昨年の夏にリニューアルしたK20美術館で出会う(2010年7月21日のブログ

そして今日は同じ美術館でシャガールの23才頃(ちょうど僕と同じくらいの年)に描いた自画像に出会えた。この絵も中学のときにすごく好きな絵だった。シャガールの初期の作品は孤独や貧しさを乗り越えようと語られる故郷や芸術への素朴な愛情があってすごく美しい。たしか画集はモノクロ写真だった。不思議な縁ってやっぱりたまにある。


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by yasutakeiwana | 2011-04-08 02:46

野の絵画。

京都の南山城村での展示の様子がインテリア・アートコーディネーターの奥村くみさんのブログで紹介されています。http://allier.exblog.jp/15768834/

「美術」という日本語は元々日本に存在しなかったらしい。
明治時代の初めに「Kunstgewerbe」というドイツ語を翻訳したものが「美術」になった。偶然にも僕は今この言葉の故郷であるドイツで絵を描いている。伊賀地方の小さな村で絵を描きはじめて、その頃は現代アートなんてものは村に存在しなくて、あるのは図書室の古い近代絵画の画集と、休日に村の風景をスケッチしている村の老人だった。僕は失われそうな村の「魂」をひたすら描いていた。

今回の展覧会のテキストで評論家の永草次郎さんに「グローバルな時代とは別の絵画表現」と書いていただいたけど、もしかすると外国に来たから自分の中で眠っていた気持ちが溢れて出してこんな絵が生まれてきたのかも知れない。絵描きの望郷心というのはより強い土着の表現を生むのかな。

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by yasutakeiwana | 2011-04-06 23:18

最近とても温かくこの間街に出掛けたら桜や木蓮が咲いてライン河のそばにビール飲んだりグリルをする人もたくさんいてすっかりドイツも春になった。

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日曜は京都の南山城村で展覧会のオープニングがあった。古い日本家屋を改装してできた異形の展示スペースに搬入は難航したみたいだけど、逆にそういうところに新しいアートの可能性が見えてきそうですごくわくわくする。帰国したら早く行きたいな。
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家族が送ってくれたオープニングの共同制作の写真。
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by yasutakeiwana | 2011-04-05 18:16