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ein Dorf(ある村)

街を出て近くの村へ行った。
小さな教会を出発して森に入り、小川を渡って、牧場や畑を越えて歩きつづけた。すれ違う村の人たちに挨拶した。子牛が小さく歩いてあちこちで白や黄色や紫の花が吹きはじめていた。
たまには果てもなく土の道を歩きたくなる。忘れてしまった大切なもの、優しいひかりを見つける。絵ってそんなところから生まれてくる。
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by yasutakeiwana | 2011-03-31 06:58

赤い木の実

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少年は春の来る村のあぜ道を駆けた。
土手の芽が吹いて井戸の底で蜜蜂がざわめいた。
森を転げて掴んだ木の実。泥まみれの掌が赤く染みた。
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by yasutakeiwana | 2011-03-29 06:32

チャリティー展が終わって

3月26日に京都のGURAで開催されたチャリティー展は出品作家全員の作品が完売したらしい。
知人から「岩名さんの作品が真っ先に買われていたよ」と聞いてびっくり。誰が買ってくれたんやろ?と思っていたら、インテリア・アートコーディネーターの奥村くみさんのブログでその真相が紹介されていた。絵を買っていただいた方には本当に感謝の気持ちでいっぱいになる。

会場にはもちろん行けなかったんだけど今回のチャリティー展の話をいろんなところから耳にして「アートの力ってやっぱり素敵だな」と改めて実感する。そして僕も本当に微力ながら役に立ててよかった。僕は今回、慈善活動とかボランティアの気持ちで絵を送った気持ちは全然ない。自分のいつもやっていることをしただけ。ただ宮永さんや伊東さんからこの企画の話を聞いたときに「この人たちとなら何か一緒にやりたい」という強い気持ちがあった。
企画者の皆様、本当にお疲れさまでした。今回の義援金が少しでも被災地の方々の役に立てることを祈ります。


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出品作品「土と稲」2010年 油彩、キャンバス 30×30cm
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by yasutakeiwana | 2011-03-27 22:36

チャリティー展

2011年3月26日(土)に京都のGURAstudioにて開催される東日本大震災チャリティー作品販売展に参加いたします。


「DONATIONS!!」
http://donations-gura.jimdo.com/

2011年3月26日(土)
12:00-18:00
GURA (612–8082 京都府京都市伏見区両替町15–141)
入場 無料(19:00以降 G祭の入場料 500円)

〈出品作家〉
厚地朋子
伊藤彩   http://ayaworks.exblog.jp
伊東宣明  http://homepage.mac.com/nob_ito
岩名泰岳  http://yasutakeiwana.nukenin.jp
内田文武  http://amadoi.com/
遠藤一郎  http://www.tamakaji.com/ichiro.htm
大小島真木 http://www.mmm.from.tv/mmm/1.htm
佐竹龍蔵  http://stkrz.tosalog.com
須藤絢乃  http://rubannoir.exblog.jp
高嶺格   http://www.takaminet.com
谷澤紗和子 http://www17.plala.or.jp/zawako
中田有美  http://yuminakata.blog58.fc2.com  
仲摩洋一  http://youichinakama.jimdo.com
林勇気   http://www1.odn.ne.jp/tropfen/kanyukuyuki/
藤井俊治
マコトフジムラ http://www.makotofujimura.com
宮永亮   http://www.andart.jp/artist/miyanaga_akira
八嶋有司  http://web.me.com/y840
矢津吉隆  http://www.yazuyoshitaka.com
山下耕平


(以下公式サイトより抜粋)
京都/伏見にある元酒蔵「GURA」というアトリエスペースの一角を会場とし、作家同士の呼びかけや賛同により、年齢、キャリア、表現方法や国さえも軽やかに横断し、幅広く活動する気鋭の作家たちが、被災地復興支援に向けたチャリティー販売を開催いたします。
本企画では「より多くの人にアートを通じて支援への関心を持って貰い、被災地への支援の輪を広げて貰いたい」という思いから、全作家の全作品を定価1万円として販売、売り上げ金の全額を日本赤十字社を通じ被災地への義援金とします。
皆様のより多くの方のご来場をお待ちしています。
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by yasutakeiwana | 2011-03-26 18:00

7年ぶりの

ブログでの報告が遅くなりましたが、本年度三重県の岡田文化財団さんから芸術留学の助成金をいただくことになりました。大切に使わせていただきます。

実は岡田文化財団さんとは不思議な縁がある。
今から7年前、僕は当時17才で三重県で1番大きい公募展だった三重県美術展覧会にチャレンジした。そのとき大人の展覧会で初めていただいた賞が「岡田文化財団賞」だった。授賞式の朝、なぜか靴を無くしてしまってボサボサ頭に学ランとサンダルというひどい格好で伊賀から津までひとりで行ったのを覚えている。他の受賞者はみんな地元のベテラン作家で僕は明らかに浮いていたけど、逆にそれが何だか楽しかった。授賞式後のパーティー。ひとり隅っこに立っていた僕に財団の事務局長さんが「君の将来が本当に楽しみだ」とやさしく声を掛けてくれて嬉しかった。

そういえばそのとき僕の絵を賞に推薦してくれたのは元永先生で、今回の助成の推薦をしてくれたのも元永先生だった。僕はもう学ランを卒業して、もーやんも少しおじいさんになったけど小さな場所でめぐるアートの縁って何だかあたたかくていいもんだなと感じる。先日贈呈式があって僕の代わりに母が出席してくれたんだけど、あのとき僕に声を掛けてくれた事務局長さんは今も変わらず仕事をされていたようだ。
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by yasutakeiwana | 2011-03-25 04:36

Wald(森)

しあわせや小さなこころはどこにあるのか。

ふと、リュックに木炭とペンと手帳を詰めて街を出た。
田舎の駅で電車を降りて住宅地を避けて森に入った。ドイツの森は葉が落ちて空が明るい。人が通る道を抜けて木々の間に分け入る。柔らかい大地を踏みしめると乾いた木の実の砕ける音がした。小さな水の流れに足がしみて、低い木の刺が手と足に刺さった。

日本人もドイツ人もなく文字も写真もないひとりぼっちの世界。古い木の模様や泥に濡れた鳥の羽根を描いた。見たことのない木の実や小さな青い葉をポッケに詰めた。小川の底の泥を紙に塗った。

森は何も言わない。乾いた風だけが僕の瞳で震えていた。


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by yasutakeiwana | 2011-03-23 07:09

古い物語

ふと最近古いメソポタミアの物語を思い出した。

ある英雄は仲間と杉の木を求めて旅に出る。杉の森には森の番人の怪物がいて人間はそこに近づけなかった。英雄は鉄の斧を作らせて神との約束に背き森の番人を殺した。そして大量の杉の木を街に持ち帰り街は豊かになった。

あるとき仲間の死をきっかけに英雄は死の恐怖に怯え永遠の命を求めて旅に出る。

やっとのことで不老不死の薬草を手に入れるがそれを蛇に食べられてしまう。英雄は失意のままに故郷に帰って行く。



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by yasutakeiwana | 2011-03-22 06:41

春の花と白い花

来週京都で開催されるチャリティー展の作品が無事届いたらしい。こんな状況下でちゃんと作品を届けてくれた運送屋さんはやっぱりプロだね。感謝。http://donations-gura.jimdo.com/

今週はいろんなことが一段落したので今日は朝から近くの街の美術館に行ってきた。丘を登る途中にピンクの花が咲いていた。ドイツももう春の気配。だけどうちのアトリエの白い花は夜になるとポロポロ落ちる。それを見て僕の小さなこころもポロポロ落ちる。そんな夜は不思議と絵が進む。咲く花もあれば散る花もある。絵も似たようなもんだ。

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by yasutakeiwana | 2011-03-20 07:59

「さよなら」と神様

今日はドイツ語学校の打ち上げだった。
みんな持ち合わせの料理を食べながらペイマンのギターの弾き語り。秋から通ったこのクラスとも今日でお別れ。先生がオフコースの「さよなら」を日本語で歌ってくれた。何だか泣きそうになる。お礼に小さな絵をプレゼントしたら泣かれたw語学学校に行ってよかったのはいろんな国のいろんな年齢のいろんな仕事の人たちと出会えたことかな。コソボや旧ユーゴスラビア、イランから来てる友達は戦火を逃れてやって来た人も多い。それなのにみんな異国で強く生きていて、勉強も大事だけどそういう人たちとの交流はすごく勇気をもらった気がする。

アトリエに帰るとドイツに来たばかりの頃、語学学校で一緒だったブラジル人のマウリシオからメール。あの頃はお互いドイツに来たばかりで毎日サッカーや格闘技の話をしてわけもわからずはしゃいでいたけど今日は日本の地震のことで「君がこの街にいて無事だったのは神様のお陰だよ」って言われた。日本人はいつからか神様ってものを忘れてしまったけど、マウリシオのこの言葉は何だか素敵な言葉だった。僕もきっと忘れてしまった神様を探しているんだな。


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写真は先月アカデミーの展覧会に来てくれた語学学校のみんな。
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by yasutakeiwana | 2011-03-19 05:49

固く握った手

ドイツでも日本の震災のニュースは毎日報道されていて、知人たちからは「日本の家族や友人は無事か?」とよく聞かれる。近所のピザ屋の親父はこっそりピザを大きく焼いてくれたりみんなやさしいんだ。

日本は今本当に大変なときだと思う。生きようとする人、大切な人を探す人、何かを守ろうとする人、普段の生活を送る人。地震によって人々の生活は大きく変わってしまったけど1日も早い復興を心から願う。

そして今回のできごとは日本人の価値観を今後大きく変えていくと思う。「アートって何?」と聞かれたとき、ひとつ言えるのは「人間について深く考えてそれをカタチにすること」だと思う。だから微力でも何でも僕はずっと絵を作りつづけていく。人の生き方、自然との関係、失ってしまった幸せをもう一度取り戻す大きな旅。


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by yasutakeiwana | 2011-03-16 23:44