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マイナーな選択

1年間一緒に住んだクリスチャンが引っ越して、秋にドイツに来た松田くんが引っ越して来る。
僕がデュッセルドルフにやって来た年はアート系の日本人は2人しか来なかった。それに比べると今年はすごく多い。ベルリンは日本人アーティストがたくさんいるし、ロンドンにもいる。岡本太郎の時代とは違う。

中にはこのブログやツイッターを読んでデュッセルにやって来る人もいる。
僕が役に立てることはあまりないんだけど、遠くから誰かがアトリエを訪ねてくれるのは嬉しいことなのでいつも一緒に飲みに行く。
「日本人アーティストが増え過ぎると日本人だけのコミュニティーができて良くない」という人もいるけど、僕は他人のことにあまり興味がないのでどうでもいい。アートシーンの中の狭いコミュニティーやアカデミーに自分の居場所を求めたくない。自分の表現はもっとささやかな場所で生まれてほしい。ドイツだとアトリエでひとりぼんやりする1日が好きだし、言葉も通じないカフェで本を読んだり、落書きする時間が好きだ。日本だと地元の森でスケッチをしたり、わけもなく田んぼのあぜ道を歩いて顔の削れた古いお地蔵さんを拝むのが好きだ。

承知の通り「3.11」以降、日本人の価値観や生き方は大きく揺らいだ。
国家や社会としての「日本」は溶解しはじめている。
そんな時代に僕は僕の選択をしたし、僕は僕の選択をしたい。それがずっとマイナーな選択であってもかまわない。ずっと昔に約束した「村の魂」と「生きる絵と死んだ絵」を探す。


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by yasutakeiwana | 2011-12-27 11:04
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